ホテルで働いていると、時に悩ましい事態に遭遇することがあります。
刑事事件なら警察に連絡しておしまいですが、お客様同士のトラブルというのは放置できない事態です。
単純な喧嘩や揉め事は困りますが解決に関しては難しくなく、熟練のスタッフにかかればそれほど大変ではありません。
しかし男女間のトラブルというのは厄介なもので、どちらかに肩入れすることなく平等に接し、そして穏便に済ませなければいけないので労力を使います。
小説でも映画でもホテルは現場になりがち
小説や映画を読んでいると、ホテルというのは男女問題の現場になりがちです。
そして働いているからこそ、実際にその通りだと断言できますし、事実は小説よりも奇なりといった言葉通りの光景を見かけることがあります。
普通にご夫婦やカップルで泊まられて喧嘩になることもあれば、人に言えない秘密の関係で訪れるお客様というのもいらっしゃいます。
浮気や不倫、二股をかけているなど問題を抱えたパートナーの素行調査を行い、現場を押さえて踏み込んできてトラブルに発展した、ということもフィクションではなく現実に起こっているのが事実です。
同時にこちらも慣れているので対応はスムーズですが、新人が対応する時は少し戸惑いがちになってしまい、フォローに回ることが必要になります。
トラブルはどこでも起こりますが、ホテルはお客様がリラックスして過ごされる場所で、男女問題というのは目にして楽しいものではありません。
ご本人様方、そして他のお客様のためにも早めの解決が必要です。
痴話喧嘩の仲裁も大変なんです
世の中にはさまざまなトラブルがありますが、仲裁が最も厄介なのが男女問題、いわゆる痴話喧嘩だと言えます。
どちらが悪いかではなく、他人が入り込むことができないプライベートの領域となってしまうのですが、口論だけならともかく、手や足が出て暴力に発展する場合はすぐに止めなければいけません。
この時に心掛けたいのが中立、公平であることです。
心情的に肩入れしたくなる場合があっても、ホテルマンとしては中立な立場で仲裁をしなければいけなく、今後のトラブルを避けるために重要となります。
さらに冷静に対処することも大切になってきて、スタッフが焦ってしまうと気持ちがお客様にも伝わり、事態の収拾が後手に回ってしまうので注意が必要です。
最もこれらは説明しても分かるものではなく、実際に現場を体験して経験を積み重ねていくことで対処法が身に付きます。
ホテルマンの役割はお客様に心地よいひと時を過ごしてもらうお手伝いをすることで、痴話喧嘩の仲裁も大事な仕事です。